べいすたーず。2020。

昨年12月31日ぶりのブログ更新。あけましておめでとうございます()
さて、今回は横浜DeNAベイスターズの2020年の展望を語っていこうと思う。いつ開幕するかも定かでない中だが、暇つぶし程度に見てもらえたら嬉しい。


野手編
☆「筒香の穴は埋まるのか?」
筒香の大リーグ移籍という話は、今年のベイスターズを語る上でまず触れなければならないだろう。この話題はベイスターズファンなら嫌というほど耳にしたのでは。

埋まるor埋まらないという単純すぎる2択問題にあえて答えるなら、埋まる。

そう答える、答えたくなる要因としてまず今年話題の新戦力・オースティンの存在が挙げられる。オープン戦ではホームラン王を獲得。トレンドである高速変化球(スラットスプリット型投球など)には強くないが、ストレートへの反応は非常に良い。打率はともかく、本塁打数はそこそこ見込めると言っていいだろう。ストレートに強いがゆえ1番打者の走力を生かす2番という使い方もある。

さらに近年出場機会を失いつつある梶谷、桑原らの底上げがあれば筒香にない守備力、機動力の上昇が見込める。シーズン前特有の皮算用感もなくはないが、野手は十分戦力があるのではないだろうか。


ただ懸念として、筒香がいなくなった影響が精神面に現れる可能性は否定できない。チームへの影響力を考えると在籍年数も長くチームリーダー的な立ち位置に元からあるロペスは状態が悪くとも外しにくいとなるかもしれない。それに加え主軸のソト、新加入のオースティンも計算して外国人野手が3人一軍に常時いるとなると投手に外国人枠が割きにくくなるなどの影響が出る可能性はある。


☆4番佐野
解説者、ファンからも最も不安視されているのが佐野恵太の4番起用だろう。筒香の代わりが佐野に務まるのか!という声も多く聞いた。
しかし佐野はあくまで"4番目の打者"。佐野に加えオースティン、ソト、ロペス、宮﨑で中軸となる2-6番を組むことになるが佐野以外が全員右打者で、比較的走力のあるオースティンと絶対的打者ソトを前に出し5人の真ん中を佐野が打つというだけで、今すぐ佐野に40発とかを求めていくわけではないだろう。

佐野はパワーヒッターと思われがちだが本質的にはコンタクトにも非凡な才能があり打率と本塁打を両立する選手になりうる。代打で培った勝負強さも兼ね備えている。前後に長距離砲がいるDeNAの4番というポジションは長打を意識しすぎないで済み、チャンスも多く回ってくるという彼の能力を引き出すのに最適なポジションだろう。
打率3割、得点圏打率も非常に良くHRも20本程度稼いだ2014年の筒香あたりが成績の目標になるだろうか。


☆シーズン終盤、短期戦へ向けて
まるで野手は全く心配ないと言わんばかりの内容でお送りしてきたが、心配な点はある。シーズン終盤や短期決戦に求められるチャンスに強いアベレージヒッターの少なさだ。
昨年日本一になったソフトバンク、世界一になったナショナルズがどちらも秋にアベレージ型の選手の起用を増やし勝ち抜いた話は以前コラムでもさせてもらったが、DeNAにはそういった起用に対応する選手があまり多くない。2017年に首位打者獲得、アベレージの高かった宮﨑も加齢に伴い打率は低下傾向。より起用がタイトになり相手投手のレベルも上がる中で結果を残せるアベレージヒッターは、是非揃えておきたいところだ。
トレードなどでの補強も考えられるが、自前でこういった選手を秋までに完成させたいと思えば候補は3年目の楠本泰史。昨年はオープン戦首位打者も獲得したが、シーズンでは安定しなかった。春から2番に入り、対応力を求められたのも難しかったのかもしれない。まずはコンタクトと思い切りを生かし、1番などで使ってみても面白い。
この楠本が遅くとも今季後半までに一軍で通用する力をつけて出てくると秋にもいい打線が組めるのではないだろうか。



投手編
☆東が今季絶望、先発ローテは?
エース今永、実績のある濵口や石田、昨年台頭した上茶谷や平良、ここにルーキーの坂本、新外国人のピープルズ、期待の若手として京山、さらに阪口、中川といった面々になるだろう。頭数としては決して悪くない。その中でも注目したい選手がふたりいる。

1人目は井納翔一。今年が8年目になるが、依然として実力あるスターター。ストレートも150キロ近くあり、フォークも良い。スライダーの軌道が4,5回あたりから少しずつ膨らんでしまい消化できるイニング数が減少してきてはいるが、ゲームメイクは未だに上手い。彼がしっかりローテーションに入るようなアピールをしてくれるとチームも安心だろう。

2人目は櫻井周斗。ツーシームカットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップと豊富な球種で勝負するトッププロスペクト。春の段階では球速、制球共に昨年夏一軍で見た時よりもやや下がっており開幕ローテーションという点では疑問だが、彼がローテーションに入ってくるほど成長してくれるとチームの成績を押し上げる要因になるのでは。ハマった時の爆発力は凄く、ラミレス監督が多くチャンスを与えるのも納得だ。
実は、櫻井投手にはTwitterをフォローしていただいている。俯瞰での意見も大事にしたいからだそうだ。自分なんかのツイートからでもヒントを得ようとするその姿勢には驚いた。何とか成功して欲しいと願っている。


エスコバー、三嶋に次ぐリリーバーは
昨年のDeNAブルペンは、厳しいやりくりとなった。実績のあったパットン、三上、砂田、田中らが怪我、不調、自爆などで計算が立たず途中補強のソリスもコンディション不良でさっぱり、エスコバーと三嶋がフル回転することになった。この2人はビハインドゲームなど特別必要のない展開でも投げさせてしまうケースも見られ疲弊し、CSでは揃って打ち込まれてしまった。このブルペンにも新戦力の台頭が待たれる。

期待したい若手はオープン戦セーブ王、齋藤俊介。
150キロ近いストレートにスラットスプリット型投球という、現代野球らしいスペックを搭載した投手だ。昨年楽天で活躍した森原あたりが齋藤の完成系としてイメージしやすいか。ストレートの質はやや課題を感じるが、素質はかなりのものだろう。


さらに既存のリリーバーの中で、三上朋也は期待したい選手だ。在籍年数が長い三上は、ブルペンリーダー的な存在であると聞く。若いチームなだけにそういった存在は貴重だろう。
昨年は怪我もあり十分に投げられなかったが、今季は春から球速も戻りつつある。クローザーも経験した強心臓な投手で、ピンチでの登板なども期待できるはずだ。


采配編
☆キーマンは木塚コーチ
昨年投手チーフコーチに就任した三浦コーチは元々先発投手。同じ先発の今永が復活、ルーキー上茶谷が活躍するなどもちろんプラスになったことも多くあるが投手采配・運用という面では不安も見られた。今年はリリーフ出身、コーチ歴も長く選手を熟知する木塚コーチがベンチに入る模様だ。チームの順位に大きく影響を及ぼすこの投手チーフコーチというポジションでの木塚コーチの手腕に注目したい。


☆1998年以来の優勝へ
アレックス・ラミレス監督が就任して4年、3度のAクラス。もちろん好成績であるが、そろそろ突き抜けたいところ。2016-2017年の運用力、また昨年の開幕戦やCS初戦のオーダーなどを見ても投打共にバランス良く人が揃えばそれをしっかり並べる、運用する能力はある監督だと見ている。2Bソト、3B筒香、今年ならオースティンの2番など斬新なアイデアも織り交ぜつつ正しい投手運用・野手配置でシーズンを戦ってほしい。