べいすたーず。2020。

昨年12月31日ぶりのブログ更新。あけましておめでとうございます()
さて、今回は横浜DeNAベイスターズの2020年の展望を語っていこうと思う。いつ開幕するかも定かでない中だが、暇つぶし程度に見てもらえたら嬉しい。


野手編
☆「筒香の穴は埋まるのか?」
筒香の大リーグ移籍という話は、今年のベイスターズを語る上でまず触れなければならないだろう。この話題はベイスターズファンなら嫌というほど耳にしたのでは。

埋まるor埋まらないという単純すぎる2択問題にあえて答えるなら、埋まる。

そう答える、答えたくなる要因としてまず今年話題の新戦力・オースティンの存在が挙げられる。オープン戦ではホームラン王を獲得。トレンドである高速変化球(スラットスプリット型投球など)には強くないが、ストレートへの反応は非常に良い。打率はともかく、本塁打数はそこそこ見込めると言っていいだろう。ストレートに強いがゆえ1番打者の走力を生かす2番という使い方もある。

さらに近年出場機会を失いつつある梶谷、桑原らの底上げがあれば筒香にない守備力、機動力の上昇が見込める。シーズン前特有の皮算用感もなくはないが、野手は十分戦力があるのではないだろうか。


ただ懸念として、筒香がいなくなった影響が精神面に現れる可能性は否定できない。チームへの影響力を考えると在籍年数も長くチームリーダー的な立ち位置に元からあるロペスは状態が悪くとも外しにくいとなるかもしれない。それに加え主軸のソト、新加入のオースティンも計算して外国人野手が3人一軍に常時いるとなると投手に外国人枠が割きにくくなるなどの影響が出る可能性はある。


☆4番佐野
解説者、ファンからも最も不安視されているのが佐野恵太の4番起用だろう。筒香の代わりが佐野に務まるのか!という声も多く聞いた。
しかし佐野はあくまで"4番目の打者"。佐野に加えオースティン、ソト、ロペス、宮﨑で中軸となる2-6番を組むことになるが佐野以外が全員右打者で、比較的走力のあるオースティンと絶対的打者ソトを前に出し5人の真ん中を佐野が打つというだけで、今すぐ佐野に40発とかを求めていくわけではないだろう。

佐野はパワーヒッターと思われがちだが本質的にはコンタクトにも非凡な才能があり打率と本塁打を両立する選手になりうる。代打で培った勝負強さも兼ね備えている。前後に長距離砲がいるDeNAの4番というポジションは長打を意識しすぎないで済み、チャンスも多く回ってくるという彼の能力を引き出すのに最適なポジションだろう。
打率3割、得点圏打率も非常に良くHRも20本程度稼いだ2014年の筒香あたりが成績の目標になるだろうか。


☆シーズン終盤、短期戦へ向けて
まるで野手は全く心配ないと言わんばかりの内容でお送りしてきたが、心配な点はある。シーズン終盤や短期決戦に求められるチャンスに強いアベレージヒッターの少なさだ。
昨年日本一になったソフトバンク、世界一になったナショナルズがどちらも秋にアベレージ型の選手の起用を増やし勝ち抜いた話は以前コラムでもさせてもらったが、DeNAにはそういった起用に対応する選手があまり多くない。2017年に首位打者獲得、アベレージの高かった宮﨑も加齢に伴い打率は低下傾向。より起用がタイトになり相手投手のレベルも上がる中で結果を残せるアベレージヒッターは、是非揃えておきたいところだ。
トレードなどでの補強も考えられるが、自前でこういった選手を秋までに完成させたいと思えば候補は3年目の楠本泰史。昨年はオープン戦首位打者も獲得したが、シーズンでは安定しなかった。春から2番に入り、対応力を求められたのも難しかったのかもしれない。まずはコンタクトと思い切りを生かし、1番などで使ってみても面白い。
この楠本が遅くとも今季後半までに一軍で通用する力をつけて出てくると秋にもいい打線が組めるのではないだろうか。



投手編
☆東が今季絶望、先発ローテは?
エース今永、実績のある濵口や石田、昨年台頭した上茶谷や平良、ここにルーキーの坂本、新外国人のピープルズ、期待の若手として京山、さらに阪口、中川といった面々になるだろう。頭数としては決して悪くない。その中でも注目したい選手がふたりいる。

1人目は井納翔一。今年が8年目になるが、依然として実力あるスターター。ストレートも150キロ近くあり、フォークも良い。スライダーの軌道が4,5回あたりから少しずつ膨らんでしまい消化できるイニング数が減少してきてはいるが、ゲームメイクは未だに上手い。彼がしっかりローテーションに入るようなアピールをしてくれるとチームも安心だろう。

2人目は櫻井周斗。ツーシームカットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップと豊富な球種で勝負するトッププロスペクト。春の段階では球速、制球共に昨年夏一軍で見た時よりもやや下がっており開幕ローテーションという点では疑問だが、彼がローテーションに入ってくるほど成長してくれるとチームの成績を押し上げる要因になるのでは。ハマった時の爆発力は凄く、ラミレス監督が多くチャンスを与えるのも納得だ。
実は、櫻井投手にはTwitterをフォローしていただいている。俯瞰での意見も大事にしたいからだそうだ。自分なんかのツイートからでもヒントを得ようとするその姿勢には驚いた。何とか成功して欲しいと願っている。


エスコバー、三嶋に次ぐリリーバーは
昨年のDeNAブルペンは、厳しいやりくりとなった。実績のあったパットン、三上、砂田、田中らが怪我、不調、自爆などで計算が立たず途中補強のソリスもコンディション不良でさっぱり、エスコバーと三嶋がフル回転することになった。この2人はビハインドゲームなど特別必要のない展開でも投げさせてしまうケースも見られ疲弊し、CSでは揃って打ち込まれてしまった。このブルペンにも新戦力の台頭が待たれる。

期待したい若手はオープン戦セーブ王、齋藤俊介。
150キロ近いストレートにスラットスプリット型投球という、現代野球らしいスペックを搭載した投手だ。昨年楽天で活躍した森原あたりが齋藤の完成系としてイメージしやすいか。ストレートの質はやや課題を感じるが、素質はかなりのものだろう。


さらに既存のリリーバーの中で、三上朋也は期待したい選手だ。在籍年数が長い三上は、ブルペンリーダー的な存在であると聞く。若いチームなだけにそういった存在は貴重だろう。
昨年は怪我もあり十分に投げられなかったが、今季は春から球速も戻りつつある。クローザーも経験した強心臓な投手で、ピンチでの登板なども期待できるはずだ。


采配編
☆キーマンは木塚コーチ
昨年投手チーフコーチに就任した三浦コーチは元々先発投手。同じ先発の今永が復活、ルーキー上茶谷が活躍するなどもちろんプラスになったことも多くあるが投手采配・運用という面では不安も見られた。今年はリリーフ出身、コーチ歴も長く選手を熟知する木塚コーチがベンチに入る模様だ。チームの順位に大きく影響を及ぼすこの投手チーフコーチというポジションでの木塚コーチの手腕に注目したい。


☆1998年以来の優勝へ
アレックス・ラミレス監督が就任して4年、3度のAクラス。もちろん好成績であるが、そろそろ突き抜けたいところ。2016-2017年の運用力、また昨年の開幕戦やCS初戦のオーダーなどを見ても投打共にバランス良く人が揃えばそれをしっかり並べる、運用する能力はある監督だと見ている。2Bソト、3B筒香、今年ならオースティンの2番など斬新なアイデアも織り交ぜつつ正しい投手運用・野手配置でシーズンを戦ってほしい。

つうしんぼ。2019。

ー はじめに ー
1年間なんとなくベイスターズを見てきた私が、1軍で見かけた記憶がある選手たちについて2019年の評価、そして次シーズンへの期待を書いています。あくまで個人的な視点ですのでそういう見方もあるのか〜くらいで読んでいただけたらありがたい。

また、「スラッター(スラット)」、「スラット・スプリット型投球」という用語がチラッと出てきますが分からない方は"セイバーメトリクスの落とし穴"(著 お股ニキ)買って。っていう他人の本の宣伝。


では、はじめます。


#0 Daisuke Nakai (UT)
今季の中井は期待を大きく上回ったと言える。巨人時代のフォームのガチャつきがなくなり、守備もやらかすポカより広い守備範囲が目立った。攻守共に安定していたと言っていいだろう。
形はできハードヒットできるようになったので、来季はさらにもうひとつステップアップし状況によっての打撃を身につけたい。本人も打点を気にしていたし理解はできていそうだ。


#1 Masayuki Kuwahara(OF)
今年も期待を下回った。ここ数年はあまりやっていなかったRFでも守備範囲、クッション処理なども鮮やかでさすがのディフェンス力を見せた一方で打撃は年々安定感を欠いている。
スラット系全盛期の今、前捌きの桑原は使いたいピースであるにも関わらず詰まらされる場面も多い。本来の思い切りを取り戻し、真っ直ぐに強く変化球を前で拾える桑原に戻ってもらいたい。


#2 Jose Lopez(1B)
連続無失策の日本記録を達成、HRも30本台に乗り、7月には月間MVPも獲得した。年齢も重ねているが、未だ健在というところを十分見せた。雰囲気作りを含め貢献度は高いだろう。
厳しいことを言えば、安定感では怪しくフリースインガーっぷりに拍車がかかっている。連載「今週この一戦」でも少し触れた通り7月のロペスは素晴らしすぎたものの他は得点圏での働き等もあまり期待出来ず、HRくじに近い状況になってしまったことも多々。
来季は同ポジションのオースティンがやってくる。本来率も残せない選手ではないので、ロペスのもうひと踏ん張りに期待したい。


#3 Takayuki Kajitani(OF)
かなり出遅れてしまったが、梶谷にとって得るものは大きいシーズンだったのではないだろうか。今まであまり結果を出せていなかった代打や、得点圏での成績が好転。8月9月の働きはかなり評価できるだろう。
来季は筒香のポジションが空く。梶谷が.270 20HR 20SBくらいやればトータルでは大きくマイナスにはならないはず。実は走力低下も少しだけ懸念しているが、かかる期待は大きい。


#4 Yukiya Itoh(2B/3B)
8月に突然現れ、鮮やかに活躍したかと思えば一瞬でいなくなったようなイメージ。w
中日ロドリゲスからのホームランもあったが、速い真っ直ぐへの対応は一軍の中でもかなりできる方だと言える。ホームランが出るタイミングといい、なにかスター性を感じさせる選手だ。
来季は、ソトが筒香で空いたLFに移る可能性もある。2Bが空けば、チャンスが巡ってくる。変化球対応にまだ難はあるものの、高いレベルで揉んでみたい素材。来季をバネにして再来年跳ねるようなイメージか?


#5 Toshihiko Kuramoto(2B/3B)
今年の打率を見れば分かる通り、期待値からはほぼ遠い成績になってしまった。2016年のCS初進出は倉本のアベレージヒッターっぷりが大きく貢献したことは間違いないが、守備も年々脆さを露呈し打撃も落ちてくるという負のスパイラルに陥っている。
来季は当然、率を戻して欲しいのひとことだ。DeNAは2Bの守備には寛容でもあるし、とにかく打ってほしい。打線バランスの構築という話題になる時、本当は真っ先に倉本の名が出てこないとダメだろう。


#7 Takehiro Ishikawa(2B)
まずは1000本安打の達成に敬意を表したい。今年だけを切り取っても連敗を10で止めるホームランなど流れを呼ぶ一打、みたいなものは多かった。記録達成のためか起用数は適正と思いにくいことも多々あったが石川個人では期待していたくらいの働きはしてくれた。
来季以降、今季ほど起用すべきかは難しい問題だ。守れるポジションも2塁のみ、打撃もどこかに秀でた部分があるわけではない。しかしモチベーターとしては依然大きな影響力を持つ。その役割を担っていたキャプテン筒香の退団もあるし、10連敗を止めた時のようにチームに何か流れを呼びたい時などに出てきて、活躍してくれたらいいと思う。


#8 Kazuki Kamizato(CF)
今季は期待以上の働きだった。フォームを秋山翔吾に近い形にし、ボールを呼び込める雰囲気もついてきた。常にハードヒット、強くライナー性の打球が打てて守備に制約のかかる得点圏などでも強かった。
来季は不動の1番打者としての働きが期待されるだろう。シーズンを戦い抜く安定感が出てくるといい。打撃はハードヒットする時、しない時の使い分けなんかが出てきたら更に良いか。あと、盗塁はなんとかしてほしい。w
この選手に関しては正直あまり心配していない。


#9 Yamato(SS)
守備も横浜スタジアムに慣れてきたか安定感もあったし、攻撃面でも下位で勝負どころのタイムリーを増やすなど非常に良い働きだった。
来季もショートで、今まで通り元気にやってくれたらいいと思う。後述するが柴田もレギュラーを狙うレベルまできていていい競争ができるのではと思う。
本当はこの先、控えになっていく時も見据え、2B/OFも少しやらせておきたいのだが…。


#10 Yasutaka Tobashira(C)
今季は出場数こそ少なかったが、与えられた中ではいい役割を果たしてくれたと思う。配球バランスなどは非常に高く評価している。実際ラミレス監督からも戸柱の配球は良くなったという話もあった。
走力、肩などは目立つものはなく控え捕手というタイプではない(これが干されやすい原因でもある)ので、来季はレギュラーを獲りにいくしかないだろう。伊藤光は右打者で併用も可能だ。打撃を伸ばせば第3捕手兼代打なんてことも考えられる。ハマスタのスタンドインくらいなら十分なパワーを持っているはずだ。


#11 Katsuki Azuma(P)
今季は残念な結果だった。一軍に時たま上がってきてもベストパフォーマンスとはとても言えない内容だっただろう。
綺麗な回転で繰り出される力強い真っ直ぐと、その軌道から消えるチェンジアップ。スライダーの再現度は課題ではあるが、怪我なく一軍にいればそこそこ勝てるだろう。来季はしっかり働いてもらいたい。


#12 Kosuke Sakaguchi(P)
一軍初登板となった甲子園での投球は、まさにプロスペクトと言いたくなる投球だった。真っスラ(ほぼハードカッター)、カットボール(ほぼスラット)の投げ分けだけで5回を制圧してしまった。その後の登板ではボロも出たが、モノはやはり良い。一軍での数登板を見る限り、ベースの一塁側へ思い切って投げられる時は良いといった印象がある。
上背があってスプリットも良い、「スラット・スプリット型投球」が可能な逸材だろう。(これこの後数回出てきます。)来季はもう少し出番を貰えるといい。もっと先も見据え、期待している。


#14 Kenta Ishida(P)
当垢では特に今年注目してきた投手。DeNAにあまりいない先発・中継ぎどちらもこなす投手として素晴らしすぎる働きをしてくれた。特に中継ぎでは、完全にスラットをモノにしイニング途中からの登板、火消しもできるようになった。ただ先発も中継ぎも、という投手ではない。非常に価値ある活躍だった。
来季はラミレス監督がジョーカーとして彼を使うと宣言している。リリーフが軸になるとは思うが、火消しや、場合によってはショート・スターターなんかもありえるのでは。疲労度が心配で上手く管理してあげてほしいが、適応できる力は十分ついた。今季同様に期待したい。


#15 Shoichi Inoh(P)
チームの中の立ち位置としては、そこそこ活躍してくれたような気もする。が、イニングが食えなくなってきているのが課題だ。スライダーの質に特に顕著に現れるが、3回り目くらいから少し落ちてしまう。早めに降ろしてあげていた分成績も落ち着いたというところもあるだろう。
来季はもう少し長く持つといい。投球の質が60-70球くらいで落ちてしまうのがもう10-15球延びるだけで貢献度は桁違いに上がる。出力や球のキレ自体は決して悪くないように見えるだけに、頑張ってもらいたい。


#16 Shinichi Ohnuki(P)
ぐにゃぐにゃ動くツーシームと速い真っ直ぐ、スプリットで春先は圧倒していたが次第に打ち込まれるようにもなってしまった。ルーキーイヤーとしては十分頑張ってくれたのではと思うが。
来季へ向けて、左方向へ曲がる球の精度は課題だろう。一応大きいスライダーがあるが、左バッターはほぼおっつけりゃなんとかなるみたいなところもあった。カットボールを習得したいと言っているそうだが、良い取り組みだと思う。


#17 Kazuki Mishima(P)
今年は本当に働かせすぎた。彼には感謝しかない。高スピン量の真っ直ぐとスラッターのツーピッチだがそのマウンド度胸も相まって見事に1年セットアップ格で活躍した。手を抜くことをあまりしない投手で、余計な負け試合などで投げさせたくないタイプ。無駄な起用を減らせばもう少し防御率など見かけの数字も良くなるはずだ。
来季も今まで通り頑張ってもらいたいが、怪我などあってもあまり強く文句は言えないというくらい投げさせてしまった印象。


#19 Yasuaki Yamasaki(P)
真っ直ぐと、今度はツーシームとのツーピッチ。特に真っ直ぐのコマンドは球界でもかなり上のレベルで、今年も好成績を残した。離脱しないだけの体調管理、ピンチにも動じないメンタリティなども含めクローザーとして文句は全くない。
来季以降さらに上の投手になるために、今年ちらっと投げていたカットボールの精度向上は不可欠だろう。私のツイートを検索してもらえば出ると思うが、9月8日の中日戦でビシエドに投げたカットボールなんかは縦の感じも出て良かった。シーズン後半にいくにつれ縦・横変化のバランスもいいところまできてるのではと思う。来季は勝負どころでもこれを使えたら100点満点だ。


#21 Shota Imanaga(P)
高スピンの真っ直ぐにスラット、スプリットチェンジという「本質的真っ直ぐ投手でありながらスラット・スプリット型投球」ができる高い支配力を見せた。今季は文句なし、エースの投球だった。強いカーブ(PJ直伝?)も試すなど探究心、向上心も素晴らしい。
これからの今永に求めるのは大事なところでの勝利だ。9月10日、首位攻防カードの初戦を今永で落としたあそこで横浜の優勝はかなり遠ざかったと言える。もちろん今永なくして2位はなかったが、もう今永は千賀のような真のエース、みたいなものを求めてもいいレベルにあるのではないか。


#24 Shunsuke Saito(P)
スライダーをスラット気味のと大きいので投げ分け、スプリット、カーブを投げる。ゾーン内は小さくグッと曲げ、ゾーン外へはバットに当たらないように大きくというができる。投げ分けで右左も気にせず抑えられるしカーブのカウント取りもうまい。素材の良さ、その中でもこのバランスの良さは垣間見えたし、個人的には先発も考えて欲しい。石田に続くユーティリティー候補ではないだろうか。


#26 Haruhiro Hamaguchi(P)
元からの武器チェンジアップと習得したスラッターで投球の質はグッと上がったが、コンディション管理に難があり、年間では安定しなかった。メンタル面も少し真面目すぎるような気がする。考えすぎて腕が振れない、みたいなエピソードを定期的に見かける。ポテンシャルからすれば、今季の成績は全然足りないだろう。
来季は最低2桁勝たなければいけない投手である。被打率は2割を切っているし、怪我なく居て考えすぎずゾーン内を積極的に突いていく濵口本来の思い切りがあればこれくらいは勝てる。5月のヤクルト戦完封は本当に自動アウトに近い感覚すらあった。心の底から期待している。


#27 Taiga Kamichatani(P)
当アカウント1押し投手。1年間よく投げ抜いた。オープン戦では中途半端に見えたカットボールがスラッとしてきて、チェンジアップも春先のふわっとした球に比べシーズン後半には真っ直ぐの軌道から沈む実用的な軌道になってきていた。適応能力の高い投手だと思う。
やはり彼には真っ直ぐ、カット(スラット)、チェンジアップとスプリットを使った「スラットスプリット型投球」を期待したい。遅いスライダーも緩急をつけられる良い球。真っ直ぐの質は違えど、今永あたりはかなり参考になるだろう。悪い時は速い球の割合が増えすぎるのでうまく調整しながら、来季こそ2桁勝利を。


#29 Hikaru Itoh(C)
本来の打撃を取り戻し、今年は正捕手としてしっかり働いてくれた。捕手というポジションであるゆえ仕方ないのだが、疲労感がプレーに出やすいような気もした。巨人が炭谷を入れ3人制にしたことで疲労が軽減され3人ともが打撃も上向いたというケースもあるし、これは使い方次第でもあるか。
来季も今年同様頑張ってもらいたいが、守りの面ではもう1段階上がれるのではとも思っている。フレーミング、盗塁阻止など去年よりは良いと感じはしたが、更なる向上にも期待したい。


#30 Satoshi Iizuka(P)
期待していただけに、かなり残念なシーズンだったと言わざるを得ない。決め球になるフォークとスラット気味の速いスライダーを持っているにも関わらず今ひとつ伸びきらなかった。中継ぎでも起用したが二段モーションにしたのもあってクイックに課題があり、活躍できなかった。
クイック以外にもカウントの取り方、左打者への攻めなどクリアすべきことは多い。8月14日の神宮ヤクルト戦で戸柱と組んだ時があったがこれが非常に良かったので、スライダーの使い方、カウントの作り方を学んでいけたらいい。戦力になる可能性は十分ある投手。


#31 Tatsuhiro Shibata(2B/SS)
逆方向の意識から引っ張り、ハードヒットの意識へ変えることで打撃がついに開花…とまで言っていいか分からないが、レギュラー争いに入ると言えるだけの力はつけてきた。守備はショートも安定していて文句のつけどころは特にないだろう。
来季は大和との戦いになる。開幕スタメンも十分あるのではないか。後半は左投手も打てていたし、かなり期待している。大和の方が外野もできて走力もあるという"控え選手としての能力"が高いので、彼をベンチに追いやれる活躍を柴田ができればチーム力はもっと上がるだろう。


#33 Tomo Otosaka(LF/RF)
ここ数年の経験が生きたか、今年は代打、時々スタメンもありながらここぞで結果を残した。代打起用によって初物対応が磨かれ、2番や、粗い長距離ヒッター(細川など)の後ろに入るバランサー的起用も増えた。
来年は外野もひと枠空いて、レギュラーを獲りにいくシーズンになるだろう。2番に入った6月のソフトバンク戦、チームが打ちあぐねていたツーシーマー二保から逆方向にHRというのもあったがああいった対応力をしっかりつけてきている。チームも2番に入るような選手を欲しているし、期待できるのでは。あと、対左投手どうにかしろ。


#35 Tomoya Mikami(P)
中畑DeNA時代からチームを支えるブルペンリーダー。今年は怪我でほとんど彼らしい投球は見れなかった。
スラッター最盛期の今、彼は少しトレンドから外れているように思う。変則的だったフォームも縦振りになり、悪く言えば普通の投手になりつつあるような気もする。スライダーのスラット化もしてほしいが、その高い上背もあるしスプリット系に挑戦しても良いのでは、とずっと思っている。彼が勝ち試合用リリーフに戻れば運用も楽になるので、是非とも来季は一軍で見たい。


#37 Taishi Kusumoto(LF/RF)
実は今年の開幕前、キーマンのひとりとして挙げていたほど大きな期待があった。長距離砲が並ぶ打線で、彼はアベレージを稼げる。開幕2番で使ったラミレス監督のセンスと共に、かなり評価していた。しかし蓋を開けてみるとシーズンではあまり良い結果を出せなかった。調子が上向いた時に限って死球や怪我があったりして、運もないなと思っていたが。
来季は外野がひと枠空き、チャンスが来る。チームも楠本のような選手を求めている。真っ直ぐへの反応を磨き、悪い時の打ち急いでしまう感じを抑えて2番打者としてなんとかハマってほしい。彼が化ければDeNAは来年もAクラスが見える。


#39 Hiroki Minei(C)
正直、非常に評価の難しい選手。守り(フレーミングブロッキング、スロー)、打撃も良い時は本当に良いのだが、悪い時は本当に目も当てられないほど悪い。良い場面、悪い場面がこれほど印象的な選手もなかなかいないような気がする。しかし伊藤光が離脱した8月などは非常に良い活躍をしてくれたと思う。
良くも悪くも思い切りのあるリードも彼の特徴。打撃の調子、疲労度、リードと投手の相性を見極めて彼の"良い時"を最大限引き出してその旨味を享受するしかないだろう。起用する側のセンスによって印象が変わる選手なのかもしれない。


#41 Shuto Sakurai(P)
DeNAの投手では、トッププロスペクトと言える存在ではないだろうか。カットボール(スラット)、スライダー、スプリットチェンジ、ツーシームも投げる。スピードもあり、かなり楽しみな投手。さすがに今年は連投などで疲労が出たりはしていたが、いい感じに階段を登っているのでは。
来季は先発という話も出ている。同じ左投手でも真っ直ぐがホップ型の今永、垂れる濵口と違って櫻井の真っ直ぐはカット質。差別化は可能だし、ローテーションに割って入れるか注目だ。
バウアー(レッズ)のパワーカーブも習得したいらしい。これがモノになるなら、スラットスプリット型投球、緩急、ゴロアウト奪取、三振奪取を意識的に狙えるようなどのポジションで投げても通用する一流のピッチャーになるのでは。
あと打撃だが、今のところ私の好みではない。トップの作りが緩く、上体の力も少し強いかなと思う。捉えれば飛ぶと思うので、もう少しどっしり構え、シャープなスイングになるともっとコンタクトできるだろう。雄平のような感じもちょっとある。


#43 Takuya Shindoh(P)
高出力の変則リリーバー。制球力は大きな課題だが、彼のような投手が1枚挟まっても面白い。現状では勝ちパターンに、とまでは言えないが、0-100感のある投手を一か八か負け試合に投入して流れを引き寄せるという手もあるのだ。
彼のスライダーだが、もう少し速く、スラット感が出せたらいいのではとも思う。他の球種がないため速すぎてもダメで絶妙な塩梅を求められるところではあるが。
かなり速いし、初見は難しい。調子が良ければそれこそオープナーなんかもハマる可能性はある。5月の起用ではなぜかめちゃくちゃ引っ張り打たれてしまったが、あの日も序盤はそこそこ抑えていた記憶がある。まぁ兎にも角にもまずは制球力。


#44 Keita Sano(1B/LF/RF)
来季キャプテン。底抜けに明るい性格や、その素質を買われているんだろう。
守備はさほど褒めるところはないが、打撃では非凡な飛距離、真っ直ぐにも反応できて率も残せる良い打者だ。シーズン中から2番起用も面白いなどと色々言ってきた。来季は打席数も確実に増えるだろう。
これからレギュラーになる上で、課題としてはやはり出続ける体力というのがあるだろう。出場が続くとどうしで打球角度が落ち、ゴロが増える。本来の良さがいまひとつ出ない時期があった。OPSが意外に高くないのもその辺だろう。能力は既にレギュラークラス、出続ける難しさなども今年十分味わったと思うので経験を糧に来季は真のレギュラー、チームを引っ張っていってもらいたい。


#47 Yoshiki Sunada(P)
タフなリリーバーとしてラミレスDeNAには欠かせない存在だった砂田だが、今年はその存在感が大きく薄れてしまった。打者のレベルも年々上がり、あのふわっとしたスライダーではそろそろ厳しいのではと昨年末から懸念していたが、モロに出たなという感じ。
今後はとにかくスライダーのあの山なりな軌道を少し抑えないとと思う。他球種もそこそこ持っているし、ワンポイントよりも複数イニングを食ってもらうようなリリーフも考えていいのではないか。2016年くらい左打者の方にガっと入るフォーム、キレのあるスライダーに戻るならワンポイントも悪くないと思うが。


#48 Masaya Kyoyama(P)
個人的に来季結構期待している投手。良い時はホップ質の真っ直ぐにカット(スラット)と真っ直ぐの軌道から沈むチェンジアップで上手にゲームメイクするのだが、悪いと制球も定まらず変化球も真っ直ぐの軌道にうまく乗らない。どうカウントを取ればいいのかも分からず自滅といった感じになってしまう。
制球力ももう少しつけないと内角を突けないし、カットをしっかりスラッとさせ遅いスライダーと投げ分ける、チェンジアップを真っ直ぐの軌道に乗せるといったあたりも確実にクリアしたい。上茶谷あたりはかなり参考になるのでは。スピンの効いたいい真っ直ぐを持っているだけに、まだまだ伸びてほしい逸材だ。


#49 Ken Akama(P)
真っ直ぐもスライダーもそこそこコースが突けて、なによりチェンジアップが良い。派手さのある投手ではないがテンポよくアウトが取れるビハインドリリーフに置くには非常に良いという投手。これ以上何か化けるかと言われると…みたいなところはあるが、来季もこのポジションを淡々とこなしてくれると非常にありがたい。
強いて言えば、スライダーはもう少しスライダーらしくと思わなくもない。少し垂れて、チェンジアップに近い感じになっている。もう少し速さがあるといいのかな。


#50 Yudai Yamamoto(C)
強肩、打撃もパンチ力があって魅力ある捕手。まだまだ若いが、フレーミングも若いながらにしっかりやっていて、吸収力の高さが見える。
なにより打撃のセンスを感じる。落ちる球へのアプローチの良さ、内角捌きは割と天性だよなあと考えている私にとって、内角球をくるっと回って弾き返せる山本には期待せずにはいられない。打撃だけでなく守備もリード、ブロッキング含めまだまだ成長すべきところは多いが将来の正捕手候補として楽しみにしている。初ヒットが初ホームラン、今年はサヨナラヒットを打つなど割とスター性もあるような気がする。こういう教えて身につくものではないものを持っているのが、彼の良さだ。


#51 Toshiro Miyazaki(3B)
今年は正直あまり良い評価をしていない。長打力に偏りがちなDeNAにおいてはこの宮﨑は高いレベルでのアベレージを残し、常に打線の中心に存在しなければならない。今年は率も落ち、夏には長期離脱。彼が1年間3割打っていたら…と思ってしまった。彼が大スランプにあえいだ4月にDeNAが負けまくったのもなんとなくわかる。
筒香が抜ける来季、彼の働きはさらに重要だ。正直キャプテンにしてもいいとすら思っていたが、それくらい今のDeNAは宮﨑のチームだ。彼が打たなければこのチームは勝てない。来年こそはとにかくフルシーズン出て、本来のアベレージに戻してもらいたい。期待は他の選手のそれとは比にならないほどだし、それをクリアする力を持っているのも宮﨑だけだ。


#52 Seiya Hosokawa(LF/RF)
春キャンプひと目みただけでも分かるフォーム変更で今年はより一軍に適応できる形にはなっていた。前よりは。それでもまだ柔らかさは出ておらず、勝負どころで使われる選手になるにはいまひとつかなという感じがした。
もう二軍ではやることはあまりないと思う。長距離砲と言っても筒香らと違い足や守備も期待できる選手なので、来季はもっと一軍で試合に出れるといい。より一軍レベルの変化球に合わせられるような柔らかさが出せるかがとにかく課題だ。


#53 Spencer Patton(P)
今年私が大人気なくツイートでブチ切れたのが2回あったが、そのうちの1回が彼だ。冷蔵庫事件である。
真っ直ぐもシュートしまくり、スラットの制球、軌道の再現度も落ちた。来季はこれらすべてをもう一度見直さなければならない。もう1球種あってもいい気もするが、とにかく真っ直ぐとスラッターの精度の見直しがなにより最優先だ。このツーピッチでも良い時は1点台くらいになる選手なので、来季はパットンがセットアップ格になんとか蘇って、三嶋やエスコバーなどへの負荷を下げてあげたい。


#56 Kodai Hamaya(P)
今季はあまり一軍では見れなかったが、どっかの国のウィンターリーグで好投していたのを見てここに書くことにした。スピンの効いた真っ直ぐと対になる、縦のスプリットで空振りを取りまくっていた。これには驚いた。ツイートにも書いたがスプリットは83マイル(133.6km/h)くらいあると打たれていなかったが80マイル(128.7km/h)までくると拾われたりもしていた。NPBだともう少しあった方がいいが、とにかく落差とこの83マイルくらいのスピード感を守れるかどうか。その中で真っ直ぐの精度、スピードを出す。簡単なことではないが一軍で使えるかもというところをこの冬見せてくれた。期待したい。


#58 Yuta Mutoh(P)
DeNAに少ないシュートピッチャー。スラット気味のカットボール、落ちるフォークもあり、経験豊富なのも買われてシーズン終盤には普通に勝ち試合でも投げていた。正直武藤がここまでやれるとは想定外だったし、赤間や藤岡らと合わせて使う投手に迷うちょいビハインドみたいな展開をうまく投げてくれた。
出力も中日時代よりついてきたくらいの印象だし、とにかく疲労をうまく抜いて来季に入ってくれればいい。彼をビハインド用に置けるくらいの層があればブルペンも心配要らないだろう。


#59 Kentaro Taira(P)
カット、スライダー、シンカーで巧みにコースの出し入れをし序盤にはこいつ何個勝つだろうと結構楽しみにした投手。それだけに、中盤以降の失速感も否めないシーズンになった。
集中力を持続させるのが難しいのか、調子が悪くなさそうな日でも簡単にフォアボールが出たり、明らかに簡単に投げてしまった失投などが見える。逆にCS阪神戦では全球集中しめいっぱい投げて4回でもこんな疲れたことはないくらい言っていたが、そういう要素はあるのかなと思った。先発で全球マックスに集中して腕振れというのも難しい話なので、うまい抜き方を覚えられるかどうかだろうか。ゲーム内も、シーズン通しても。意外にサイドのシンカー使いはいないので、そのあたりが解消されればローテーションには普通に入るだろう。


#62 Edwin Escobar(P)
投手運用の大切さを忘れさせるような罪深きタフネスリリーバー。なぜか2連投目、3連投目となるにつれ球のキレやスピードが増し、間隔を空けてあげると打たれてしまう。
それでもCSでは打ち込まれてしまった事実もあるので、試合間隔を空けすぎず疲れさせないという繊細な運用プランが求められるのかもしれない。

あと、あの腕の振りが全く違うスライダーは流石にそろそろ打たれそうでちょっと怖い。w
スピードも出て軌道もいい感じにはなってきたのでせめてもうすぐ真っ直ぐの腕の振りに近づけて…


#63 Taiki Sekine(OF)
楠本に書いたような期待をかけたい選手のひとり、関根大気。2番/5番/代打あたりに求められる初物への対応力を異国の地で磨き、勝負のシーズンへ向かう。
今までは外野が埋まっていて代打でもうまくいかず、二軍成績の割に一軍で活躍できないという日々を過ごしていたが2020年は外野がひと枠空いてチャンスだ。楠本もいまひとつ伸びきれていないし、2番あたりに入って地位を確立したいところ。対左も対応できるセンスはあるので、そこらへんでも乙坂らと差別化し追い抜きたいところだろうか。
ウィンターリーグでは対左ダメだったようだが、向こうの左投手のムービングボールはなかなかに対応が難しく、正直そこまで気にしていない)


#64 Hiroki Momose(UT)
今年DeNAが巨人に大きく劣ったもののひとつとして「控えのバリエーション」ということをずっと言ってきた。その課題を解消しうる存在として挙げたいのがこの百瀬だ。打撃もずいぶん間が良くなったし、パンチ力もある。走力があって守れるポジションが多いので代打、代走、守備固め多くの役割を担える。スタメンで出ても他の選手を代えやすい。
2020年シーズンはとにかく最低でも一軍のベンチの一角を自分のものにしてほしい。投手になるべく多く枠を使いたい現代野球において、貴重なピースになれる選手だ。


#65 Yuki Kuniyoshi(P)
0-100と評してきたこの国吉だが、だいぶその感じは取れてきたのではないか。フォームを変えて安定感が増し真っ直ぐは161km/h、カットはしっかりスラッとしてフォークもあり、先発経験から出力抑え目のロングリリーフみたいなこともこなすようになった。ブルペンには欠かせない選手になった。
来季も同様にフル回転での活躍を期待する。
あとショートスターター、オープナーなど"こういうのにいかにもハマりそう"っていうのをいざその使い方するとだいたい打たれるアレはやめてほしい。w
監督やコーチがキャンプなどの早い段階からシーズンでこういう使い方がありえるからこういう準備をしてほしいみたいなコミュニケーションは必要だろう。日本代表では合宿時に稲葉が各選手にこういうのを言って回っていたし。


#68 Yoshiaki Fujioka(P)
彼の存在には本当に助けられた。カット系、シンカーを巧みに使いビハインドでの左右関係なく打ち取れるそのピッチングはもちろん、三上を欠いたブルペンで最年長の藤岡がいたというのは大きかったように思う。シーズン中も悩む選手が彼のアドバイスで復調しましたというエピソードをいくつも見かけた気がする。
意外と緊急登板みたいなのに弱いので使い方は気をつけたいか。来季も微妙に球を動かして打ち取る藤岡らしい老獪な投球に期待したい。


#93 Koh Nakagawa(P)
今季、二軍での投球は圧巻だった。期待がかかっただけに一軍初先発(ナゴヤドーム)は残念な内容だったがかなりの有望株であることに変わりはない。
オーバースローで振り抜く腕から速い真っ直ぐ、フォーク、スライダー、そしてカットボール。本人も「空振りもゴロアウトも取れる」と語っていて、まさに"スラッター"を投げる感覚を掴んできているようだ。イースタン最多勝最優秀防御率も納得できる。球速もあってフォークが良く本人は当初中継ぎ希望だったようだが、真っ直ぐもゴロアウトが取れるような質で、先発向きだろう。「スラット・スプリット型投球」が可能な逸材だ。5月に教わったカット(スラット)を使いこなせているあたりを見ても、本質的には変化球投手かもしれない。彼に先発させようと判断しスラットを仕込んだ大家コーチの慧眼っぷりには頭が下がる。


#94 Takamasa Kasai(P)
育成から這い上がったリリーバー。ゴロアウトを取れる真っ直ぐにカットボール、カーブ、フォークなど多彩に球種を投げる。球速の割に支配力不足で、今季も期待値ほど抑えたような記憶がないというのが正直なところだ。
彼は、長い回を投げる方が向いているのかなとも思う。真っ直ぐは空振りを取るような質ではなく、本質的には変化球投手に見える。ゴロアウトは取れるしスラット気味のカットボールもあって、ロングリリーフ、先発(とまでいかずともショートスターターなど)は考えてもいいのではと思わされる。8月のマツダでの広島戦、4回くらい投げたやつが特に良かった。


#99 Neftari Soto(2B/RF)
ネフタリ・ゴッドと言い始めたのは自分と未だに言い張っている私。()
1年目の二軍戦、千葉マリンかなんかで見たホームランでこいつやばいかもしれないと思ったが、その怪物感そのままに2年目も走り抜けた。
序盤はホームランか三振かみたいな感じが出まくり、レアードじゃんと何度も文句を言ったが(これはレアードにも失礼)、後半にはチャンスにも強く強い当たりのヒットも量産できる真のコアヒッター、ソトらしい姿に戻っていた。年々ボール球も見えているし、セカンドの守備もオフ必死に練習したという本人の話通り上手くなっていた。なぜかライトが下手になっていたが、来季もスーパーコアユーティリティーとしてDeNAを力強く引っ張ってほしい。

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#80 Alex Ramirez(Manager)
まずはシーズン2位という結果に賛辞を送りたい。よくやったと思う。開幕戦、CS初戦など要所要所ではバランスの良いスターティングメンバーを構成するそのセンスは買っているし、また筒香の3B起用など彼でなければできない采配なども多く、また伊藤裕季也ら若手も上手く乗せてその勢いをチーム戦績に反映させた。層は厚くないチームをよくやりくりしたという点は非常に良かっただろう。
しかし、全体的な評価としては2017年を最後にやや下降気味というのが正直なところだ。18-19年は少し納得のいかない采配も増えた。投手コーチが替わった影響もあるのか投手起用は三嶋やエスコバーに必要以上の負荷をかけることも多く、オープナーも正直失敗のし方が悪すぎた。4月はチーム状況も確かに苦しかったがそれ以上に星を落としたと言える。打順も奇をてらいすぎるようなものも見られた。来季はもう少し落ち着いて野球ができるといい。





ここまで全部読んだ変態には、何かしらプレゼントしたいくらいである。よほど私のツイートなどに興味を持って見てくれている人だろう。本当に1年間ありがとうございました。意見、感想、この選手俺が見るにこうだと思うんだけどどう?など色々つぶやいてくれると嬉しい。戦争は嫌いだが、議論や意見交換は大好物なので。

Yoshitomo Tsutsugo.

メジャーリーガーとしてグラウンドに立つ瞬間は、もうほぼ確約されたようなものだろう。筒香 嘉智はタンパベイ・レイズと2年契約を結ぶことが決まった。


今回は彼について書こうと思う。


☆思いの丈をただ語る。
ベイスターズは、筒香には特別な負荷をかけてきた。暗黒時代に突入していたチームの光、という重い役目を背負ってしまい3年目、4年目あたりは完全に伸び悩んでいた。中畑監督のあえてのキャンプ放置や大村コーチの指導によって開花したかと思えばすぐ、キャプテンに任命されてしまった。それでもチームをまとめるという役割をこなし、DeNAをAクラスにいるのも珍しくないチームにしてみせた。ラミレス監督就任後はシーズンの勝負どころで打順変更、今年はポジション変更まであったが見事に適応し結果を出している。
ドキュメンタリーなどを観るファンには周知の事実だろうが、シーズン中のスローガン決め、モチベーションビデオの作成なんかも企画するなどキャプテンとしてチームのために本当に多くの時間を割いてきた。

1年ほど前にもツイートしたが、横浜からメジャーに行きたいと言える選手が出てきたことは非常に誇らしいことである。十分チームのために犠牲になってきたので、そろそろ自分の夢、自分の成績のために時間を使わせてあげても良いのではないかと思う。本当に心から応援している。


☆課題、期待。
筒香の課題はなんといっても速いストレートへの対応力だろう。思い切ってヤマを張って打つ、くらいの対応は見せるようにはなってきたが未だ良いとは言えないのが現状だ。
また、守備も不安が残る。ユーティリティ全盛のこの時代、メジャーではレギュラー格の選手ですらサブポジションの練習に勤しむ姿が多く見られるようになった。筒香もLFのみならず3B(+1B?)をこなせるようにしておく必要があるだろう。レイズは3Bのレギュラーが左に強い右打者のディアス。基本DHだろうが、彼の休養時、不調時などは対右の3Bスタメンも十分ありえる。

変化球はある程度拾えて、広角に打てるのが筒香の武器。今まで通り四球を取り、甘い変化球も仕留めつつ、フィールドを広く使ってバランスの良い打者として戦力になれたら良いのではないか。佐々木主浩も似たようなことを言っていた。目指すところとして例えるなら2014-2015年くらいのイメージ。HRもありつつ広角に打ち、打率、得点圏打率も高かった。もちろん2016年の成績になればそれに越したことはないのだが。
最低欲しい(というかありそうな)成績としては、今年の阪神福留の成績(OPS.740)のひと回りくらい上みたいな感じだろうか。タイプ的にも、数字も。日本球界を経てアメリカへ渡ったSEA李大浩、去年のSDビヤヌエバOPS.750程だったと思うので、この辺は最低でも超えたい。
レイズが期待している成績としては当然もっと上だろう。高出塁率・高長打率の両立は筒香の長所であり、ここを期待しているはず。見切りも早い球団なので早くこの辺の数字まで持っていきたいところだ。


☆さいごに
球団の公式PVに「応援する球団がひとつ増えた」なんて文言が入っていた。まさに今はそんな気分である。基本ドライな奴ぶってるが、そうさせるだけの思い入れが筒香にはある。
てなわけで、今後はタンパベイ・レイズについてもより細かく情報を追っていきたいと思っている。MLBにはNPBほど詳しくないので、ツイート等なにか間違いなどあればご指摘頂けるとありがたい。

たいきょくかん。

大局観、という言葉を私はよく使う。9回終わって1点上回ってればいい野球というゲームにおいて、目先の成功・失敗に囚われすぎてはいけないと感じているからだ。年間50〜60試合も負けていいペナントレースを戦うならばなおさらのことである。


この手の話で有名なのは「森福の11球」。無死満塁から森福が下位打線3人を打ち取ったことで有名なシーンだが、この場面の前の二、三塁で和田が四球を選んだことで落合監督は頭を抱えたそうだ。一見良い結果でありスタンドも盛り上がったが、実際満塁になってはホームもフォースアウトで何の作戦もとれない。打順も下がる。
和田がいつも通り低めを引っ掛けてショートゴロで1点取れればそれで万々歳と思っていたらしい。野球とは得てしてこういうものである。
ちなみにこの話を少し本に入れたいということでお股ニキさんからご連絡頂き、この時の話をさせてもらった。私なんかの名前が載ったのはそういうわけである。w

今日も面白い場面があったので紹介する。オリックスソフトバンクの一戦、山本由伸のあわやノーヒットノーランという快投に注目が集まる中、気になったのは八回裏のオリックスの攻撃だ。
無死1、3塁のチャンスを作りバッターは1番福田。2番の西浦も左なのでソフトバンクは左の嘉弥真を投入。ここで1塁ランナー・佐野が盗塁を決めて2、3塁となったのだが結果福田、西浦が倒れ佐野のボーンヘッドも重なり無得点に終わってしまった。
気になったのは福田西浦のポンコツっぷりでも佐野のボーンヘッドでもない。盗塁である。

無死1、3塁の場面で守備は中間守備を敷いていた。内野ゴロなら3塁走者の生還も見込める場面。しかし、これが2、3塁になってしまうと内野は前進。嘉弥真相手にヒットか外野フライを福田や西浦に求めることになってしまった。
抑えが不安などで2点欲しいならまだしも、今日の山本なら1点あれば十分。最悪ゲッツーでも1点というのもあるし1、3塁のまま福田に内野ゴロでいい楽なシチュエーションを与えるべきだったと感じる。嘉弥真ももうランナーを気にしなくて良くなったので、腹をくくれたようにも見えた。
一見佐野の盗塁はチャンスを広げたように見えるが、実は自軍の首を締めてしまったのではという見方もできるわけだ。
…まぁ本来ボーンヘッドさえなければ二死2、3塁でメネセスには回ったので、考えすぎと言われればそれまでかもしれないが。



目の前のプラス、マイナスは分かりやすくて良い。オリックスのファンからすれば、甲斐から若手のホープが盗塁を決めたのだから喜ばしいことだっただろう。しかし、1歩引いて見ると違う景色が見えてくる。それもまた野球の面白さである。

おしまい。

べいすたーず。

横浜DeNAベイスターズの2019年のお話をつらつらと書こうと思います。あくまで個人の見方であると理解して頂けると幸いかと。

☆采配 投手編
鍵はリリーフの明確な使い分けにあると感じる。昨年は三嶋の能力を信じるまでに時間がかかったか少し起用がごちゃついた。今年は勝ち試合に使う投手をしっかり決めたいところ。仮に7回三嶋、8回パットン、9回山﨑康のような継投をイメージするのならば三上やエスコバーをオープナー起用することも十分ありえるだろう。特に右の軟投派京山の前にエスコバー、左でいまひとつ能力を伸ばしきれない石田の前に右の三上などは試す価値もあるのでは。

キーマンにはあえて石田健大を挙げたい。今永の復活が絶対条件なのだが、彼の使い方は非常に重要である。横浜の中で数少ない先発・中継ぎをこなせる投手であると私は見ていて、能力的にはややリリーフ向きではあるが4人目の外国人枠(エスコバーバリオス)の使い分けと共に上手く動かしたい選手である。強いチームは先発・中継ぎを行ったり来たりできるユーティリティー・ピッチャーがいる。彼にはそのあたりも期待したい。

☆采配 野手編
大体は「コア4人を3-6番に並べ、9番投手」「コア4人を2-5番に並べ、8番投手」のどちらかになると思う。
特に2番ソトの場合は2番にしては本塁打が多すぎて9番が投手だとそのお掃除能力を生かせないので、9番に野手を入れる戦いもあっていい。
また早打ち傾向、落ちる系への対応の微妙さなどが似るソトとロペスはあまり並べない方が良いと感じる。
盗塁成功率を上げるという点では真っ直ぐに強いソトを2番に、またエンドランなどで崩していきたい時は2番に宮﨑。相手投手や捕手、その日の展開を読んで使い分けていくのが良いだろう。

キーマンには中井大介を挙げたい。横浜は中軸のソト、ロペス、筒香が左の軟投派投手に対してあまりよくない。石川雅規に好投されたり、内海には完封まで許した。右の代打として獲った中川大志も左投手をあまり得意としていないので、中井がスタメンや代打でそういう左投手を打ってくれると非常に大きい。

ペナントレース戦術
80〜90勝てば、残りは負けていいのがペナントレース。元々リリーフのレベルの高さや打線は(怪我なく人がいれば)それなりに偏らず点が取れるので短期決戦には弱いタイプのチームではないのだが、長期戦がどうも弱い。どう90勝つかより、質よく50負ける方法を考えるのが良いだろう。例えば昨年阪神に20-4で負けた試合があったが、あんな試合はもう誰が投げても同じである。野手でもいい。捨てゲームはしっかり捨てるという割り切りも必要だろう。
また、守備シフトも積極的に今季は採用しているが単に打球方向のチャート通りに守っているようにしか見えない。ツイートもしたが、同じくシフトを積極採用する日本ハムは選手の能力、状況に応じた使い分けはしっかりしている。結果はイマイチのようだが、感覚の中にデータを落とし込もうという姿勢は見える。
「9番野手」の使い方も最初は2番が誰か、どういう選手が9番向きなのかなどを大して考えてなかったようだった。数字を生かそうという姿勢は良いが、もう少し感覚との融合は求められていくと思う。


私の横浜DeNAベイスターズの順位予想は今年も1位である。今年こそ、年末には「俺クラスになると、優勝するとわかっていたからな。」と言わせてもらいたい。